現代版米国藍色下衣
 2000年代も残り残すところ1年。
 2000年のジーンズを振り返るとウィメンズが流行った後、メンズにそのスタイルが流れてくきていたのが
ほぼ同時期になっていった。それだけメンズの流行も敏感になってきたというところだろう。
 美脚というギミックはもはや当たり前でその他にプラスαの付加価値が必要だった。

そこで現れたのが米国プレミアムジーンズ群である。
古くは90年代の美脚の走り、アールジーン。それより古くなるともっと色々あるのだが割愛。

突如として、そして瞬く間に広がったプレミアムジーンズたち。通常価格が2万円を超えるのが普通だったそれらは
所謂セレブカジュアルの中心となり、ジーンズブームを牽引していった。

私の記憶がある中でもペーパーデニム&クロス、トゥルーレリジョン、ジェームス、セブンフォーオールマンカインド・・・
数えればキリが無い。90年代のレプリカジーンズブームとも勝るとも劣らないブランドが雨後の筍のごとく現れた。
数年隆盛を極めたが長続きはしない。



そしてブームは去った。



あんなに魅力的だった(筈)のジーンズたち。
ブームが過ぎれば、激しいデストロイ加工は値引きされる度に安物に見え、
誇張されたヒップポケットにぶら下がるステッチを見ては「ブーム乗り遅れ組み」と勘違いされ
いつの間にかメインスポットから脇役、脇役からフェードアウトしていってしまった。
もはやワゴンの中にしかいないそれら。


ブームは去ったが本当に価値の無いものに成り果ててしまったのだろうか?
ブームが去った今だからこそ、価値の再検証をしたいと思う。
 今回紹介するのはアーネストソーンのストレート。外国人向けなのでレングスが長いので裾を大幅にカットする羽目になるが
穿いた時のシルエットは癖の無いきれいなストレートラインを描く。ウィメンズでのカッティングの妙を見れば当然か。
日本のレプリカブランドではやらないシルエットであり、誤解する言い方をすれば501ばっかり見てないで少しは他のシルエットの研究もして欲しい。
 ボタンフライフロントで前股上は浅く、後ろ股上は深い。横から見るとカーブラインを描く。サイズは後ろ身頃にプリントされているところに○の印が入る。
このモデルはヴィンテージをかなり意識しており、隠しリベットやベルト部の耳使い、銅製ドーナッツボタン、V字ステッチ、股リベットなどオンパレード
更にコインポケットは耳使いで端は閂止め、他リベットも打ち抜きを採用している。ちなみにオレンジのリボンはハンガーにぶら下げるループである。
 バックスタイルで目を引くのは細長いベルトループ。ベルトループも全て耳使いである。表に見えるステッチは全てバナナイエローとオレンジの
2色で縫製されており、バックポケットは通常のアーネストのポケットよりも一回り、いや二回りほど大きい。
変則的な5角形でポケット口ステッチも中心寄りに落ちるような縫い方であるが、実は黒ステッチで普通に平行を1本追加している。
 アウトサイドは片側だけ黒ステッチの入る耳使い、通称方耳仕様となる。デニムは米国製で、恐らく12オンス程度。
ワンウォッシュの皺加工でかなりゴワゴワした堅物な印象。洗ったら自立しそうである。
 スレーキ裏に生産者の署名が入る。その他に品質表示も入り、機能性と合理性そして希少性をあわせもつ。
デザイナー(注:プリントのみ)、裁断と縫製、乾燥時の加工者、洗い加工者の署名が記載されている。
 タグは何でもない紙を加工して使い古したかのようなアンティーク仕上げとしている。読んでいくとこのジーンズついてが詳しく記載されている。

 アーネストソーン、実は2009年春にデザイナーが抜けてしまったようでもはや風前の灯になっているようである。
但し、彼らのプロダクトはまじめで、シルエットが綺麗で、無国籍な雰囲気を持ち、今穿いても十分に通用するものと言える。
今後が楽しみなブランドだっただけにこのような結果になったのは残念である。

 現在のプレミア系ジーンズの主流はジーンショップやヤコブコーエン、PT05など一部米国製を除いてはイタリア系綺麗目ジーンズが台頭してきている。
無論テーらリング
今一度ジーンズ発祥の地、アメリカでアメリカらしいジーンズを発表して欲しい。
RRLは高すぎなので出来れば安めでお願いしたい。
EARNEST SEWN:2004年、ペーパーデニム&クロスの共同経営者兼デザイナーであったScott Morrisonが自身のデニムブランドを確立するためにアーネストソーンを立ち上げる。拠点はニューヨーク。
 コンセプトは米国生まれのジーンズに日本の「わび・さび」と言った美意識を織り交ぜる。「わび・さび」という美意識には、完全 なものは不完全なものの中にあるということを含んでいて、それをScott Morrisonはジーンズの中で体現しようとしている。デニムは日本、アメリカ、イタリア製用い、手作業加工を施すことで、二つとないジーンズを作っている。そのこだわりから設立からまもなくプレミアムデニムブランドの中でも有数のブランドに成長。
    
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2009 FREECLASS製作委員会