ークブーツ 労働や作業用の丈夫な靴の総称。踝の上までの深さの編み上げ式のものを中心として様々な種類があり、ブルーカラーに向けたものであるが為、一部を除き手に入れやすい価格帯である。気軽に履けて同じ同国発祥のジーンズとの相性も良い。
 そんなアメリカンワークブーツで最もポピュラーなのはレッドウィングのアイリッシュセッター。1975年読売新聞社刊「MADE IN USA CATALOG」で本格的に紹介されて以来、何度かのブームを経て日本でも「ブーツの定番」「ブーツの王道」としてその地位を築いた。筆者も持っているが飽きのこない良い靴である。

MADE IN USA CATALOG の1コマ
 んなワークブーツの中で労働に適さないワークブーツが存在する。それがこのジンターラ・スカルポンチーノだ。「スカルポンチーノ」とは伊語で長靴の意。高級短靴を得意とする同ブランドが出したこの「長靴」は労働に適さないと言うと語弊があるかもしれない。しかし定価¥170,000もするのだ。作業場に喜んで履いていく輩はいないだろう。いや、作業場に足を踏み入れない人種が履くものかもしれない。一体誰が何の為に企画したのだろうか?
 企画者はユナイテッドアローズでも変人度(良い意味で)が高いディストリクト。ディストリクトは毎シーズン想像も付かないものをジンターラで発表して(無論高価だ。)その都度驚かされる。
 
ザイン要素はアメリカンワークブーツのそれだが、近づいてよく見ると細部の作りこみが全く異なるのである。ステッチピッチが細かいのがお分かり頂けるだろうか?アメリカのワークブーツがミシンステッチ対してこちらは全てハンドステッチなのだ。ハンドならではの職人芸と言える。
ッパーの素材はイタリアンオイルドレザー、俗にバケッタレザーと呼ばれるがバケッタとは製法を指すので正確にはバケッタ製法レザーと呼ぶべきだろう。更にこれは裏地を使う通称「ロベッシュ」であり、バケッタ製法独特な乾いた質感がよく出ている。
 コバのステッチはノルベジューゼ製法と同様の防水性を誇る「ベンティベーニャ」製法。ノルベジューゼよりもスマートでステッチダウン製法よりも重厚感がある。
 シューレースホールはハトメの金具を表からはつけず、裏に上から3つしか付けられていない。見た目の良さを優先させるイタリアらしい配慮。インソールはサイズが手書きで書いてあるだけで"ZINTALA"の名前は一切ない。これは「ブランドではなく、靴そのもので評価して欲しい」とのUAからの意向によるものである。
 ールはクレープソールを模した天然ものと思われる発泡ゴムである。ソールパターンはなく、形成時にできた凹凸がその役目を果たしている。
 属品として替え紐とKIWI社製クリーム、シューバックが付く。どれもシルバノ・ラッタンジの刺繍が入る。

 さてFREECLASSの第一弾としていきなりこんな高額なブーツを出してしまいましたが、実はまだ一度も外で履いてないんです(汗)中々踏ん切りがつかないのと履き口が狭くて穿き難いのと脱ぎ辛いので箱に保管したままになっています。これをおろすのは秋の紅葉でも見に行くときに・・・それまではもう少し飾っておきます。
What's Zintala ??
 ジンターラ(Zintala)は1971年、イタリア靴産業の中心マルケ地方で創業者で自らの名を冠したブランドも併せもつシルバノ・ラッタンジが設立したシューズブランドである。氏は9歳より靴の製作に携わる生粋の職人であるが、ブランド名を命名するに当たりラッタンジを逆さ読みして「ジンターラ」とするなど如何にもイタリア人らしいウィットを持つ。靴自体は職人技に富んだ真面目なもので十数年前までは「幻の靴」とまで謳われた名靴で、日本国内でも流通量は少なかった。
 ジンターラの特徴は色々あるのだが、一つ上げるとするならば様々な製法が出来る器用さだ。ハンドソーンウエルテッドの他にも、木型にアッパーを吊り込み、ウエルトをアッパー全周に縫合。更にウエルトのつま先部分とソールを出し縫いで繋げるといった複雑な工程を要するベンティベーニャ製法も得意とし、熟練した靴職人達の技と経験がおりなすハンドメイドの靴作りは履きやすさと美しさを両立している。
 英国仕様のような伝統的な靴からモード要素のある靴まで、バリエーションに富んだデザインを展開していることもジンターラの特徴。それでいてイタリア独特の艶やかさやジンターラのアイデンティティを失わないオリジナリティがジンターラの強さである。
 現在、同ブランドはシルバンノ・ランタンジ(短靴・オーソドックス) ジンターラ(カジュアル寄り) メイドインマルケ(廉価版。マッケイ製法) そして息子の名を冠したパオロ・ラッタンジがある。

WEB LOCATER
Zintala(Italiano or English):http://www.zintala.com/
Silvano Lattanzi(Italiano or English):http://www.silvanolattanzi.it/
UA District(Japanese):http://www.district.jp/
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2006 FREECLASS 製作委員会