LEVI STRAUSS LOT.501XX 1960s REAL
本文へジャンプ 2005年2月3日 
 アーキュエイトステッチはすっかり無くなり、その残影とも呼べるデニムの濃淡だけがそこにステッチが在った事を訴えています。ビックEなどに比べるとアーキュエイトが鋭角なのでここもビックEと識別するのに重要なディテールとなります。
 ギリギリ読み取れる”LEVI’S”の文字。引っ張ったら簡単に取れそうなので慎重に扱います。これもボディ同様かなり傷んでいます。
 左上端だけに「紙パッチでしたよ」の識別ができる切れ端が残っています。ステッチだけ残っているとシュガーケーンの旧復刻シリーズを思わせます。切れ端しか残ってないという事はパッチの質が悪かったんでしょう。と言うか扱いが雑すぎた?!
 コインポケット裏はシングルの巻き縫い仕様になってました。ビックEでも耳使いだったりするコトがあるので割かし早い段階から仕様が変更された工場で生産されたものと思われます。中がまだ青く、せめてこれぐらい色が残っていればと思ったり。
 トップボタンは鉄製のようでいい錆が出ています。やはり実物のボタンは刻印が深くてカッコイイです。逆に言うと現在出されている復刻版で頂けないディテールと言えるでしょう。V字ステッチはかなり鋭角でベルト上部にまで達しています。縫い子さんが「あ、縫いすぎちゃった。ま、いいか。」って言ったのが聞こえてきそうです(笑)
 隠しリベット拡大図。銅製だと思われるリベットは黒ずんでいました。経年変化の凄みを感じます。リベットの上にあるカンドメ(通称「裏バータック」)の適当さ加減がいい塩梅。復刻は紺色でしっかり縫われています。細かな部分ですけど、これも復刻では頂けないディテールです。
 第二次大戦を経て、戦勝国アメリカが最も輝きを放っていた1950年代。(欧州も疲弊し、日本は焼け野原、米国唯一が本土での作戦をしなくて済んだ。この為経済の立ち直りは非常に早かったと言う歴史的背景はどうでも良い話)

 兵役を終えた兵士が故郷へ帰り、PXで買った501XXを自宅でも愛用するなんてことがザラだった頃。

 米国全土のみならず、欧州でも人気が出るようになるとリーバイス社もいよいよ生産も更に効率化を図らなくなくてはなりませんでした。

 供給が不規則な革パッチを紙パッチへ。コインポケット裏耳使いの中止など、様々な変更を経て登場したのがこの501XXです。501XXの中でも唯一ビックEとの識別ができる箇所が隠しリベットということで後期型に分類されるものと思われます。

 リーバイス原理主義を脱出しても501XXへの憧れは拭いきれず、ドルチェ&ガッバーナのクラッシュジーンズも真っ青なボロボロになったものをゲットしました。

 スラックスやトラウザーズではこれぐらいのダメージがあれば穿くことが世間体的に憚れますが、ことジーンズだと話は変わります。

 ボロボロな中にカッコよさが見えてくる。街で穿いていても普通に見える。本当にジーンズとは不思議なものです。

 どっかの誌面で「ジーンズは購入した時は未完成。穿いて自分のものになった時が完成品だ」というのを読んだことがあります。なるほど納得です。

 さてこのジーンズは御歳50歳はくだらない壮年期な方です。人間と同様至る所にガタがキています。所有者が何人変わったか分かりませんが、かなり激しい扱われ方をされたことは間違いありません。時を超え遠路遥々日本までいらっしゃったのでその余生をゆっくり過ごして頂くためにこのオールドヴィンテージ君、いやオールドさんに延命措置を施します。
  
 スペシャルサンクス てつ兄。